乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

「働き方改革」に触れて

ここ一週間以内での強行採決の噂が流れる「働き方改革」法案。正式には「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」という名称で提出されていて、これもいくつかの法律をまとめて改正しようとする「一括法案」です。
衆議院のリンク)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g19605063.htm

この法案で改正されるのは、以下の通り。(議会提出法案による)

  1. 労働基準法
  2. じん肺
  3. 雇用対策法 → 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(名称変更)
  4. 労働安全衛生法
  5. 労働派遣事業法の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
  6. 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法
  7. 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律 → 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(名称変更)
  8. 労働契約法
  9. 健康保険法
  10. 職業安定法 → 関係法律名の変更による改正
  11. 生活保護法等(全13本の法律) → 関係法律名の変更による改正
  12. 地方公務員法
  13. 厚生年金保険法
  14. 社会保険労務士法
  15. 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律
  16. 建設労働者の雇用の改善等に関する法律
  17. 港湾労働法
  18. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
  19. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
  20. 地方公務員の育児休業等に関する法律
  21. 独立行政法人通則法
  22. 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律
  23. 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律
  24. 厚生労働省設置法 → 関係法律名の変更による改正


強行採決で、これだけの法案が変わるわけです。政府の説明は、尽くされているでしょうか?
大きく変わるのは、やはり労働基準法でしょうか。詳しい内容については、僕は素人なので、法律の専門家に任せるよりないと思います。
一応、厚労省がまとめた「法律案の概要」はこちら。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000176290.pdf

一方、問題点を指摘している佐々木亮氏の検証記事はこちら。
佐々木亮氏「高プロ制度の解説をします」
https://news.yahoo.co.jp/byline/sasakiryo/20180330-00083362/

佐々木亮氏「高プロ制度は地獄の入り口 ~ High-pro systm is the gate to hell~」
https://news.yahoo.co.jp/byline/sasakiryo/20180410-00083790/


国会で問題となった、裁量労働制の労働時間に関して厚労省から提出された「捏造データ」については、皆さんご存知の通り、上西充子氏の詳細な検証が公開されています。

上西充子氏「裁量労働制のねつ造された比較データ、バレないための隠蔽プロセスを検証(第1回)」
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180504-00084767/

他にも、国会審議についての記事。
文春オンライン「強行採決が懸念される「働き方改革」法案 過労死にまつわる問題発言」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180519-00007456-bunshun-pol

この法律案の危険性は、多くの専門家が指摘されています。リンクを上げた上記お二方以外にも、ツイッタなどで見ているだけでも、多くの方々が意見を出されています。
聞けば聞くほど、この法律案には疑問が湧いてきます。

あと、答弁する内閣側からは、この法律案によって、労働者にどのようなメリットがあるのかについて、「多様な働き方ができる」以外の説明がされていないのも、疑問に感じるところです。

とりあえずの、メモのような。

資料・情報・行政への信託

行政の「公文書改ざん問題」、「自衛隊派遣日報の存在不報告問題」は、国家行政を進めるための「円滑な行政手続き」が機能してない、という問題であり、行政が国会に(ひいては国民に)公表する情報の信頼性を毀損する、という問題であり、政府が自身の正当性を立証できない(提出する資料の正当性を、いちいち確認する必要がある)、という問題であり、ひいては「政府が、国民からの信託を受けることができない」という問題ではないか。
政府・内閣としては、今後一切の虚偽答弁、虚偽資料を出さないことを証明するしか、信頼の回復はできないのではないか、と思うが。それほどの問題だと思うけど。

公文書、立法府、行政府

内閣が管理・統括する行政府に、次から次へと問題が発生する、というのは、省庁内の問題なのか、省庁を統括する内閣の問題なのか、それとも両方の問題なのか。

「公文書」というのは、日本政府がどんな課題に取り組み、どんな議論を積み重ねて、どんな政策を起案し、どのように実行したのかを、記録として残すための文書です。
その文書は政府によって保管され、後世の人々のための「歴史資料」となるものです。後世の人が、21世紀初期の国政の状況がどうだったのか、どんな課題があって、当時の政府がどのように対処したのか、後世の主権者に伝えるためのものであり、未来の国民が、過去を反省し、未来に活かすための資料でもあります。

その文書が「公文書」と呼ばれる以上、それは後世の国民だけではなく、全世界に対して「この文書に書かれている内容は、公式文書として偽りのものではないことを、国家政府として保証する」と宣言している、ということです。
その「公文書」が偽りであった場合、どういう経緯で偽りの文書が「公文書」として残されたのか、どういう理由で偽りの文書が「公文書」とされたのか、それは主権者に明らかにされなければならないし、同じような失態を起こさないために、どのような対策を取るのか。

行政府(内閣)は、立法府(国会)が議論を重ねた上で成立させた法律を施行する「行政(政を行う)組織」です。内閣の「行政行為」は、法律に則ったものであるかどうかを、常に国会によって検証されます。
問題なく執行されている行政の行為は問題にされませんが、国会が決めた法律に従わないような行政行為は、必然的に国会の審議に上げられ、その正当性を国会で議論して審議されることになるわけです。

行政府(内閣)は、立法府(国会)に対して「どのような問題点があって、どのような理由で、どのような経緯を経て、このような対処を行なったか」を、説明する責任があります。
国民が選んだ国会議員が、内閣の最高責任者である総理大臣を選び、その総理大臣が国務大臣を選任し、行政官庁(各省庁)を管理・監督し、正当な行政活動を行わせる。それが議員であり行政省庁の最高責任者である行政責任者(内閣・大臣)の仕事です。

財務省の公文書改ざん問題」は、こうした文脈の中に置かれた問題です。「公文書を書き換える」には、国民に選ばれた国会議員、ひいては議員を選んだ国民に「説明する必要がある」わけです。それは自分勝手な説明で終える訳にはいけません。国民が「ああ、そういう理由と経緯で、こういう対処がされたんだ」と理解することが必要であり、行政府(内閣)は国民の理解を得るまで説明をする必要があります。

日本の国の主権者は国民であり、行政(内閣)も立法(国会)も司法(裁判所)も、主権者である国民への説明を尽くし、理解を得る努力を尽くす責任があります。国政の三権は、「主権者である国民の主権を信託されている」権力である、のですから。

「委任」ではなく「信託」である、ということ。「全部任せる」のではなく「今は信用して、託している」状態であること。政権ができるのは、国民の疑問に対して説明を尽くすか、説明できないなら、受けた「信託」を返上する(辞職する)か、ではないのだろうか。

国民に、説明を尽くすことができない内閣は、説明を避けようとする内閣は、「国民の信託を受けた」責任を放棄している、としか受け止められないのだが。

日本の課題、どれだけあるか

「日本の課題」はいろいろあるわけで。政治案件ばかりが話題になるが、他にも多くの問題があるわけで。
とりあえず、思いつただけを並べておく。「主権者としての国民」としては、興味ある課題について自分で考えて、自分の意見を行政、立法に声をあげていくことが、「主権者」としての役割だろうと思うし。

 

行政:

国有地格安払い下げ問題
公文書改ざん問題

警察の不当勾留問題
  人質司法と呼ばれる警察捜査の課題

今治市公有地払い下げ問題(加計学園


政治:

政治家の口利き斡旋問題
  甘利氏、地元有権者に説明する、と言っておいて説明はしたのかな?

官房機密費の使いみちの問題
  また、その公開の仕方の問題

安倍昭恵–籠池問題
  100万円寄付金
  総理夫人口利き問題

内閣人事局問題
  公平性・客観性の問題

教育基本法の問題点
  「道徳」の教科化の問題点
  教育現場の実態の問題
  
秘密保護法の問題点
  取り調べ可視化の課題
  通信傍受の問題

安保法制の問題点
  集団的自衛権の問題と、国連の集団安全保障の問題
  憲法との整合性

共謀罪関連法の問題点
  法律としての整合性の問題

種子法廃止の問題
  農産物への影響と、食卓への影響

水産資源問題
  マグロ、ウナギの絶滅危惧問題


教育:

教師のブラック労働問題
  授業研究以外の事務作業量
  部活の負担の問題点
校則は子供の育成に有効か?

大学法人化の問題点
大学教育の方向性の問題

教育行政の問題


外交:

難民受け入れ問題

外国人実習生問題

日本政府の移民受け入れ政策の課題

外交問題
  北朝鮮
  アメリカ
  韓国
  中国
  ロシア
  原発輸出推進の行方
  

軍事:

日米安保条約地位協定問題
日米合同委員会

安保法制の問題

沖縄の在日米軍基地問題
  普天間
  辺野古
  高江ヘリパッド

在日米軍の兵器の墜落、不時着問題
  沖縄に限らず?

 

書くまでもないこと、かもしれないけど、時々思い出しておかないと、日々の暮らしに追われて、ついつい忘れてしまうので。自分向けの備忘録でもあるが、ここに置いておく。

 

財務省「書き換え文書」を覗いてみる


各所で公開されている、財務省から提出された「決裁文書についての調査の結果」文書。
ダウンロードしてあちこち眺めているのだが、気になったことなどを残しておく。


1.貸付決議書?「普通財産決議書(貸付)」(平成27年4月28日)

タイトルが「調書」のみ。1ページ目右上に「別紙2」の表記。
書き換え前文書、全ページ、チェックマークなし。
14ページ目「草案の経緯」以降、下段のページ数なし。(これはあえてページ数を記載しなかったのか、元からなかったのか(別紙で用意された、とかで)なのか、不明。)


2.貸付決議書?「普通財産決議書(貸付)」(平成27年5月27日)

タイトルが「契約書等の再作成に」。右上の「別紙2」の表記は同じく。


3.売払決議書「普通財産売払決議書」(平成28年6月14日)

タイトルは「調書」。1ページ目上部に手書き文字で「差替前」。
この1ページ目から、黒点の手書きチェックが入っている。
「4.貸付契約までの経緯」は、書き換え後文書では全削除。
3ページ目から4ページ目にかけて、「予定価格1億3400万円」の表記あり。

……とりあえず、ここまで。

「手続きは正当に行われたか」問題


内閣(行政)、国会(立法)、裁判所(司法)の「公明正大」を担保するのは、それぞれの分野での「個別の案件が法律に則り、全ての資料を開示しても公明正大であることを保証する」手続きに添って行われていることを(各機関が)証明できること、なのではないか。

行政官僚にとっては、全ての交渉、連絡、意思決定の記録は「行政が公明正大に行われていること」を証明する記録であり、その記録こそが行政の「公明正大」を担保する。

行政(官僚)の担当者が「手続きの公正さを示す記録がない」と言うことは、主権者である国民の「付託」に対する裏切り行為ではないのか。


森友学園」「加計学園」の問題の根本的な問題は、それが「行政的に公明正大な手続きに則って行われ、いつでも国民に説明できる手続きであったことを記録で検証できるか」問題ではないかと思うのだが。

行政が「不正はない」と主張するなら、全ての決定手続を開示して「ほら見てください」とやればいいだけの話で、最初の段階で内閣が、積極的に情報開示を行っていれば、(内閣の不正な手続きがなければ)「森友」「加計」の問題は早々に終わらせられた問題なのではないか、と思う。

さて、安倍政権の閣僚の中で、「行政手続は何の瑕疵もなく、正当に行われた、その資料もある」と断言した閣僚はいたか?

いろいろ、考えては、いるのだが


なかなか文章を更新できなくて。
とりあえず、気になったことだけをここに残しておく。

Twitterでは足立康史衆議院議員のツイートが炎上中。
https://news.careerconnection.jp/?p=50789

「公式に国政に国民の意見を代表するべき国会議員」が、こういう発言を堂々とすること自体が、立憲民主党を支持する国民を貶めているし、国会議員の価値自体を貶めていると思う。
小選挙区で落選して、比例復活した足立議員の発言であるならば、比例名簿に登録した日本維新の会の、この件に対する対応も、厳しく見ていくべきだろう、と思うが。

高知県が、シラスウナギの採捕期間の延長を決定。深刻な不漁が背景
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27471010X20C18A2LA0000/

不漁の原因が、「絶滅が危惧されている」ニホンウナギの数が減っているとしたら、稚魚を捕獲することで「成長して新たな稚魚を産むニホンウナギの稚魚」をさらに採ることは、「自分の尻尾を食べる」ウロボロスの蛇的な方針なのでは、と感じてしまうのだが。


とりあえず。