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乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

軽減税率は「増税の一部とりやめ」で減税ではないですから

今日も今日とて、勉強がてら拙い文章を投下してみます。
 
 
「軽減税率の導入」について、あたかも国民負担が軽くなるようなイメージで語られることがあったりしますが、基本的には「増税」である、と認識しておいた方がいいと思います。
 
 
「軽減税率」については、12年前の論文ですが、税務大学校の教授による「食料品糖に対する軽減税率の導入問題」という論文が、国税庁のサイトに掲載されています。
 
これは要約ですが、論叢本文はページ下部のリンク(PDF)から読むことができます。
 
 
「消費税」については、以下のような特徴があります。
1.消費水準に応じて比例的に税負担を求めるため、水平的公平に資する。
2.所得に対する負担割合は、逆進的になる。(低所得ほど負担割合が大きくなる)
 
 
その中での食料品等への軽減税率の導入には、以下のような問題点が指摘されています。
1.相対的な負担割合を緩和する効果はありつつも、高所得者層にもより高額の軽減効果が及ぶため、低所得者層の負担軽減効果はさほど期待できない。
2.制度の簡素化や、経済活動の中立性に反する面がある。
3.客観的なデータに基づいて、対象商品を合理的な基準で選定することは困難。
4.食料品の譲渡と、飲食サービスとの区分をどこに取るかを判定するのが困難。
 
 
また、導入の際の制度面、執行面への影響も大きくなることが予想されます。
 
実際に、現実に売られているひとつひとつの商品の、どれに軽減税率が適用され、どれには適用されないのか。またその「線引き」がどれほど明確にできるのか、明確にできたとして、それが本当に「低所得者層の負担割合の軽減」になるのか、国民から見て理解できるものになるのかどうか。
 
商品を売る側にとっても、一律税率に比べて事務処理の負担は増大するでしょうし、そうした企業側の負担増は経費増に繋がるとしたら、その分の負担は誰が負うのでしょう? 国内の売買のシステムにとっての負担は、どれほどになるでしょう?
それに、消費税の部分増税に伴う、公官庁のシステム変更の費用はどれくらいになるのでしょう?
 
 
具体的に見ていけばいくほど、軽減税率の導入はシステムと事務処理の複雑化と負担増となり、それはつまり国の予算がそちらに充当されることで、社会保障費を圧迫するような事にならないか、そうした不安が生じてきます。
 
実際に12年前から指摘されていることは、現在でも問題点として指摘できることだと思いますし、すっきりとした解決策は、自分が見た限りどこにも見当たりません。知っている方がいるなら、教えてほしいものです。
 
 
どうも、軽減税率導入は、政治家が言っているほど「生活者への恩恵」にはならないのではないか。そう思えてなりません。