乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

2016(平成28)年度一般会計決算を読む 1

2016年度一般会計決算を読んでみようか、と思い立ったりして。毎年、政府の年度予算の話題はニュースになり、大雑把な数字が大きく報道されるのだが、「決算」については殆ど報道されることがない。そのことが、時々妙に気になってしまう。


「決算」については、衆議院に「決算行政監視委員会」、参議院に「決算委員会」が設けられてそこで審議されているのだが、衆議院のホームページなどを見ても、あまり活発な審議がされているようには見えないし、それでも「決算」は、立てられた予算が、どのように使われたのか、あるいは使われなかったのか、を示す大事なデータであるとも思うので、時間をかけて読んで見ようと思う。


今が「平成30年度」で、昨年度の「平成29年度決算」は、まだ委員会に付託されたばかりで審議も進んでいないし。という訳で「平成28年度」の決算を、財務省のホームページから引っ張り出して読むことにする。

しかし、2016年度の決算報告書、昨年の特別国会に提出され、現在も衆議院で審議中だそうで、あまりスピード感はなさそう。これでは決算結果の評価を次回の予算に反映させることは困難であるし、きめ細かい審議もできているのかどうか、かなり不安。


とにかく、読んでみましょうか。

 

2016年度の歳入予算は、

  • 歳入当初予算額 96兆7218億円
  • 予算補正追加額 5兆5744億円
  • 予算補正修正減少額 △2兆0742億円
  • 前年度繰越額   3兆5919億円
  • 最終予算額 100兆2220億円

それに対して、歳入決算額は、102兆7740億円。2兆5520億円の増額になっています。


次は歳出額なんですが。

  • 歳出当初予算額  96兆7218億円
  • 予算補正追加額  6兆0585億円
  • 予算補正修正減少額 △2兆5583億円
  • 歳出予算現額   103兆8139億円  となってます。

これに対する支出済歳出額は、97兆5418億円です。

歳入の決算額は、上の通り103兆円足らず。歳入と歳出の最終差額は、6兆2722億円になります。この差額は、「予算を確保しながら使われなかった額」ということになり、一部は翌年度へ繰り越され、残りは不用額として計上されています。

2016年度決算では、4兆7390億円が翌年度へ繰り越され、1兆5332億円が不用額として計上されています。繰越額は、省庁ごとに、複数年度にまたがる予算については同じ項目への繰越という形でなされてます。

不用額については「お金が余った」ということにある訳ですが、その余ったお金はどこへ行くのか、そこはまだ良く分かりません。


では、まずは歳入から見ていきます。


歳入


租税収入は、54兆8080億円の予算額に対し、収納済決算額は、54兆3895億円。4185億円の収入減、となっています。主な項目別の歳入額を、一覧にしてみます。

 

租税収入(所得税法人税、消費税、相続税、酒税、たばこ税、揮発油税自動車重量税、その他の税を含む)

  • 算額  54兆8080億円
  • 算額  54兆3895億円
  • 差額     -4185億円

 

所得税収入

  • 算額  17兆7100億円
  • 算額  17兆6111億円
  • 差額     -989億円

 

消費税収入

  • 算額  16兆8010億円
  • 算額  17兆2282億円
  • 差額    +4272億円

 

相続税

  • 算額  2兆1100億円
  • 算額  2兆1314億円
  • 差額    +214億円

 

法人税

  • 算額  11兆1360億円
  • 算額  10兆3289億円
  • 差額    -8071億円

 

酒税

  • 算額  1兆3590億円
  • 算額  1兆3195億円
  • 差額    -395億円

 

たばこ税

  • 算額  9230億円
  • 算額  9142億円
  • 差額    -9億円

 

揮発油税

  • 算額  2兆3860億円
  • 算額  2兆4342億円
  • 差額    +482億円

 

自動車重量税

  • 算額  3850億円
  • 算額  3915億円
  • 差額   +65億円

 

印紙収入

  • 算額  1兆0520億円
  • 算額  1兆0791億円
  • 差額     +271億円

 

官業益金及官業収入

  • 算額  447億円
  • 算額  470億円
  • 差額  +24億円

 

政府資産整理収入

  • 算額  3179億円
  • 算額  3842億円
  • 差額   +663億円

 

雑収入(日本銀行納付金、日本中央競馬会、その他を含む)

  • 算額  4兆6673億円
  • 算額  4兆8946億円
  • 差額    +2272億円

 

日本銀行納付金

  • 算額  5351億円
  • 算額  4814億円
  • 差額   -537億円

 

日本中央競馬会

  • 算額  2595億円
  • 算額  2973億円
  • 差額   +378億円

 

公債金

  • 算額  39兆0340億円
  • 算額  38兆0346億円
  • 差額      -1兆円

 

前年度剰余金受入

  • 算額    2975億円
  • 算額   3兆9450億円
  • 差額   +3兆6475億円

 

所得税法人税は予算額より減額となっています。

揮発油税ガソリン税)、自動車重量税が増額となっているのは、ネットなどの通販の広がりによる、運送業の業務の増加の影響もあるのでしょうか。

詳細については、他のデータも引っ張ってきて検証する必要があるわけですが。

 

所得税、消費税それぞれ17兆円に対して、法人税10兆円を、どう考えるか、というのはあるでしょうが、しかしそれは予算の段階でも明らかになっている訳で。

 

また、追って読み進めていこうと思います。