なにか、あっさりと終わったように感じる東京都議選。ですが、日本の首都の議会の選挙ということで、改めて投票結果、開票結果について考えてみたい、と思います。
(データは東京都選挙管理委員会のホームページより引用)
1.投票結果
投票日当日の、東京都全体の有権者数は、11,157,715人(男性:5,438,532人、女性:5,719,183人)でした。
投票者数は4,729,484人(男性:2,287,195 人、女性:2,442,289人)、
投票棄権者数は6,428,231人(男性:3,151,337人、女性:3,276,894人)、
投票率は、42.39%(男性:42.06%、女性:42.70%)となりました。
前回の都議会選挙は、都民ファースト旋風もあって投票率が51.28%まで上がったのですが、今回はそれより8ポイント以上低い結果となってしまいました。
ただし、投票者数4,729,484人に対して、持ち帰りと思われる票が74票、不受理とされた票が7票あります。
これにより、投票総数は4,729,403票、となるのですが、このうちに無効投票数が85,746票あります。これを引くと、有効投票数は4,643,657票となります。
投票率が下がったことについては、いろいろ言われていますが、ここで平成以降の都議選の投票率を記しておきます。
1989年7月2日 58.74%
1993年6月27日 51.43%
1997年7月6日 40.80%
2001年6月24日 50.08%
2005年7月3日 43.99%
2009年7月12日 54.49%
2013年6月23日 43.50%
2017年7月2日 51.28%
これを見ると、選挙の時期によって、かなり上下している印象があります。2009年の都議選は、都議会民主党が躍進して、2009年の衆議院選挙での政権交代の前哨戦となりました。
ちなみに、都知事選の投票率は、平成以降は次のようになってます。
1991年4月7日 51.56%
1995年4月9日 50.67%
1999年4月11日 57.87%
2003年4月13日 44.94%
2007年4月8日 54.35%
2011年4月10日 57.80%
2012年12月16日 62.60%
2014年2月9日 46.14%
2016年7月31日 59.73%
2020年7月5日 55.00%
やはり、都議選よりも都知事選の方が有権者の関心が高いのか、都知事選の方が高めの数字が出ているようです。ただ、その都知事選が政策の選択というより、人気投票、著名度投票になっている傾向があるように感じられるのは、気になるところですが。
*
自治体別で見ると、今回投票率が一番低かったのは、瑞穂町の31.23%で、有権者27,124名中、投票者数は8,471名となっています。
投票率が一番高かったのは利島村の76.61%でした。利島村では248人の有権者中、190名が投票した、とあります。
概して、島部と呼ばれる伊豆諸島、小笠原諸島では投票率が高く、島部全体では、投票率は54.43%になっています。
投票率が40%を割り込んでいるのは、中央区(39.19%)、港区(33.78%)、渋谷区(38.33%)、江戸川区(39.65%)、立川市(37.24%)、青梅市(38.98%)、府中市(38.21%)、昭島市(38.18%)、福生市(35.91%)、羽村市(34.82%)、あきる野市(35.38%)、武蔵村山市(38.13%)、東久留米市(38.59%)となっています。
2.開票結果
次に、開票結果からピックアップしてみます。それぞれの選挙区での当選者と得票数、投票者数、有効投票数などを並べてみます。次点の候補者の得票数も掲載してみました。
千代田区:
平慶翔氏(都ファ) 8,149票
<<次点:内田直之氏(自民) 7,240票>>
(有権者数:52,921人、投票者数:23,386人、有効投票数:22,856票)
中央区:
石島秀起氏(自民) 19,272票
<<次点:池邉愛氏(都ファ) 14,042票>>
(有権者数:135,196人、投票者数:52980人、有効投票数:51,404票)
港区:
菅野弘一氏(自民) 19,041票
入江伸子氏(都ファ) 18,254票
<<次点:大塚隆朗氏(立民) 11,643票>>
(有権者数:199,689人、投票者数:67,453人、有効投票数:66,137票)
新宿区:
大山とも子氏(共産) 20,397.624票
古城将夫氏(公明) 18,764票
森口つかさ氏(都ファ) 17,410票
吉住栄郎氏(自民) 15,386票
<<次点:三雲崇正氏(立民) 14,469票>>
(有権者数:289,909人、投票者数:113060人、有効投票数:111,168票)
文京区:
福手裕子氏(共産) 30,815票
増子博樹氏(都ファ) 30,077票
<<次点:中屋文孝氏(自民) 25,097票>>
(有権者数:180,945人、投票者数:88,041人、有効投票数:85,989票)
台東区:
鈴木純氏(自民) 17,595票
保坂真宏氏(都ファ) 16,373票
<<次点:中山寛進氏(都ファ) 15,028票>>
(有権者数:166,325人、投票者数:71,367人、有効投票数:69,666票)
墨田区:
川松真一郎氏(自民) 19,763票
加藤雅之氏(公明) 19,526票
<<次点:伊藤大気氏(共産) 15,755票>>
(有権者数:227,703人、投票者数:100,274人、有効投票数:98,495票)
江東区:
細田勇氏(公明) 31,864票
山崎一輝氏(自民) 31,812票
畔上三和子氏(共産) 29,136票
<<次点:高橋恵海氏(自民) 24,215票>>
(有権者数:416,822人、投票者数:182,962人、有効投票数:179,573票)
品川区:
伊藤興一氏(公明) 23,188票
森澤恭子氏(無所属) 22,413票
白石民男氏(共産) 20,552票
阿部祐美子氏(立民) 20,087票
(有権者数:333,647人、投票者数:144,110人、有効投票数:141,631票)
品川区では、僅か391票差が明暗を分けています。
目黒区:
齊藤泰宏氏(公明) 16,515票
西崎翔氏(立民) 16,044票
<<次点:星見定子氏(共産) 16,038票>>
(有権者数:232,430人、投票者数:100,011人、有効投票数:98,227票)
目黒区では、当落の票差は、わずか6票差でした。
大田区:
藤田綾子氏(共産) 34,328票
松田龍典氏(維新)29,701票
斉藤里恵氏(立民) 27,001票
鈴木晶雅氏(自民) 26,244票
勝俣聡氏(公明) 25,770票
森愛氏(都ファ) 25,014票
玉川英俊氏(公明) 23,062票
<<次点:奥本有里氏(都ファ) 20,373票>>
(有権者数:607,747人、投票者数:264,957人、有効得票数:260,340票)
世田谷区:
福島理恵子氏(都ファ) 43,096票
里吉ゆみ氏(共産) 34,225票
高久則男氏(公明) 32,200票
小松大佑氏(自民) 26,486票
三宅茂樹氏(自民) 25,819票
山口拓氏(立民) 25,644票
風間穣氏(立民) 23,849票
土屋美和氏(自民) 22,040票
<<次点:岡林裕佳氏(維新) 19,954票>>
(有権者数:761,047人、投票者数:334,335人、有効投票数:328,698票)
渋谷区:
中田喬士氏(立民) 22,204票
<<次点:前田和茂氏(自民)15,575票>>
(有権者数:190,282人、投票者数:72,935人、有効投票数:71,376票)
渋谷区でも、771票の差で、明暗が分かれました。
中野区:
西澤圭太氏(立民) 35,749票
荒木千陽氏(都ファ) 32,743票
高倉良生氏(公明) 24,364票
<<次点:出井良輔氏(自民) 22,527票>>
(有権者数:279,101人、投票者数:121,573人、有効投票数:119,209票)
杉並区:
茜ヶ久保嘉代子氏(都ファ) 30,369票
原田暁氏(共産) 27,437票
小宮安里氏(自民) 24,735票
関口健太郎氏(立民) 23,827票
松葉多美子氏(公明) 23,538票
早坂義弘氏(自民) 22,653票
<<次点:小松久子氏(ネット) 16,417票>>
(有権者数:480,096人、投票者数:211,304人、有効投票数:207,995票)
豊島区:
本橋弘隆氏(都ファ) 24,586票
米倉春奈氏(共産) 21,890票
長橋桂一氏(公明) 19,925票
<<次点:堀宏道氏(自民) 17,747票>>
(有権者数:228,502人、投票者数:98,344人、有効投票数:96,374票)
北区:
山田加奈子氏(自民) 30,417票
曽根肇氏(共産) 29,416票
大松成氏(公明) 27,580票
<<次点:佐藤古都氏(維新) 23,323票>>
(有権者数:285,161人、投票者数:134,123人、有効投票数:131,491票)
荒川区:
慶野信一氏(公明) 19,493票
瀧口学氏(都ファ) 17,138票
<<次点:崎山知尚氏(自民) 14,249票>>
(有権者数:168,970人、投票者数:72,830人、有効投票数:71,577票)
板橋区:
蒲田悦子氏(公明) 33,835票
宮瀬英治氏(立民) 31,201票
木下富美子氏(都ファ) 29,767票
松田康将氏(自民) 25,703票
徳留道信氏(共産) 25,027票
<<次点:河野雄紀(自民) 24,066票>>
(有権者数:466,395人、投票者数:194,415人、有効投票数:191,216票)
板橋区も1000票差未満、961票で明暗が分かれました。
練馬区:
小林健二氏(公明) 37,209票
藤井智教氏(立民) 35,286票
戸谷英津子氏(共産) 32,963票
柴崎幹男氏(自民) 20,839票
山加朱美氏(自民) 20,460票
<<次点:池尻成二氏(無所属) 19,695票>>
(有権者数:610,630人、投票者数:266,723人、有効投票数:262,153票)
ここでも、765票差で明暗が分かれました。
足立区:
後藤奈美氏(都ファ) 34,223票
発地易隆氏(自民) 29,756票
薄井浩一氏(公明) 29,365票
高島直樹氏(自民) 28,423票
斉藤真里子氏(共産) 28,365票
中山信行氏(公明) 27,493票
<<次点:和田愛子氏(立民) 18,698票>>
(有権者数:562,190人、投票者数:231,001人、有効投票数:226,935票)
葛飾区:
北口剛士氏(公明) 30,725票
和泉尚美氏(共産) 24,498票
米川大二郎氏(都ファ) 23,063票
平田充孝氏(自民) 22,404票
<<次点:舟坂誓生氏(自民) 16,595票>>
(有権者数:376,091人、投票者数:150,489人、有効投票数:147,015票)
江戸川区:
竹平智春氏(公明) 43,077票
田之上郁子氏(都ファ) 40,061票
上田令子氏(無所属) 27,509.447票
宇田川聡史氏(自民) 24,960票
原純子氏(共産) 24,827票
<<次点:大西洋平氏(自民) 24,584票>>
(有権者数:552,447人、投票者数:219045人、有効投票数:215,631票)
江戸川区も、明暗を分けたのはわずか243票差でした。
八王子市:
東村邦浩氏(公明) 45,053票
青柳有希子氏(共産) 28,490票
西山賢氏(自民) 26,004票
伊藤祥広氏(自民) 23,132票
須山卓知氏(立民) 21,786票
<<次点:両角穣氏(都ファ) 20,937票>>
(有権者数:467,264人、投票者数:200,629人、有効投票数:197,580票)
八王子市では、849票の差で明暗が分かれました。
立川市:
酒井大史氏(立民) 20,633票
清水孝治氏(自民)20,470票
(有権者数:152529人、投票者数:56,799人、有効投票数:55,722票)
武蔵野市:
五十嵐衣里氏(立民) 26,878票
<<次点:鈴木邦和氏(都ファ) 14,751票>>
(有権者数:122,844人、投票者数:58,494人、有効投票数:57,564票)
三鷹市:
中村洋氏(立民) 28,112.899票
山田浩史氏(都ファ) 20,162.100票
<<次点:加藤浩司(自民) 17,335票>>
(有権者数:157,096人、投票者数:66,827人、有効投票数:65,610票)
青梅市:
森村隆行氏(都ファ) 26,344票
<<次点:山崎勝氏(自民) 16,045票>>
(有権者数:112,223人、投票者数:43,742人、有効投票数:42,389票)
府中市:
小山有彦氏(無所属) 41,037票
鈴木錦治氏(自民) 23,335票
<<次点:柄澤地平氏(共産) 15,329票>>
(有権者数:213,225人、投票者数:81,476人、有効投票数:79,701票)
昭島市:
内山真吾氏(都ファ) 16,078票
<<次点:安保満氏(自民) 12,158票>>
(有権者数:93,486人、投票者数:35,692人、有効投票数:35,056票)
町田市:
小磯善彦氏(公明) 27,006票
藤井晃氏(都ファ) 25,951票
星大輔氏(自民) 21,445票
池川友一氏(共産) 20,298票
<<次点:鈴木烈氏(立民) 17,000票>>
(有権者数:354,276人、投票者数:158,096人、有効投票数:155845票)
小金井市:
漢人明子氏(無所属) 18,789票
<<次点:広瀬真木氏(自民) 14,097票>>
(有権者数:102,093人、投票者数:42,128人、有効投票数:41,388票)
小平市:
竹井庸子氏(立民)
磯山亮氏(自民)
(無投票当選)
日野市:
菅原直志氏(都ファ) 21,819票
清水登志子氏(共産) 20,520票
<<次点:西野正人氏(自民) 18,458票>>
(有権者数:154,508人、投票者数:62,036人、有効投票数:60,797票)
西東京市:
濱中義豊氏(自民) 21,160票
桐山ひとみ氏(都ファ) 18,580票
<<次点:石毛茂氏(立民) 16,751票>>
(有権者数:169,879人、投票者数:68,007人、有効投票数:67,025票)
西多摩:
清水康子氏(都ファ) 27,748票
田村利光氏(自民) 26,507票
<<次点:宮崎太朗氏(立民) 15,077票>>
(有権者数:205,078人、投票者数:73,388人、有効投票数:72,013票)
(福生市・有権者数:46,079人、投票者数:16,549人、有効投票数:16,215票)
(羽村市・有権者数:45,068人、投票者数:15,692人、有効投票数:15,396票)
(あきる野市・有権者数:66,839人、投票者数:23,649人、有効投票数:23,199票)
(瑞穂町・有権者数:27,124人、投票者数:8,471人、有効投票数:8,309票)
(日の出町・有権者数:13,628人、投票者数:5,599人、有効投票数:5,522票)
(檜原村・有権者数:1,913人、投票者数:1,086人、有効投票数:1,073票)
(奥多摩町・有権者数:4,427人、投票者数:2,342人、有効投票数:2,299票)
南多摩:
石川良一氏(都ファ) 29,233票
小磯明氏(自民) 24,823票
<<次点:斉藤礼伊奈氏(立民) 20,753票>>
(有権者数:198,888人、投票者数:87,437人、有効投票数:86,142票)
(多摩市・有権者数:124,406人、投票者数:54,401人、有効投票数:53,564票)
(稲城市・有権者数:74,482人、投票者数:33,036人、有効投票数:32,578票)
北多摩第一:
谷村孝彦氏(公明) 29,386票
尾崎あや子氏(共産) 20,807票
関野杜成氏(都ファ) 19,994票
<<次点:北久保眞道氏(自民) 19,564票>>
(有権者数:254,911人、投票者数:106,985人、有効投票数:105,136票)
(東村山市・有権者数:126,024人、投票者数:54,423人、有効投票数:53,421票)
(東大和市・有権者数:70,691人、投票者数:30,371人、有効投票数:29,887票)
(武蔵村山市・有権者数:58,196人、投票者数:22191人、有効投票数:21,828票)
ここでは、明暗を分けたのは430票の差でした。
北多摩第二:
岩永康代氏(生活) 25,578票
本橋巧氏(自民) 24,037票
(有権者数:168,806人、投票者数:75,703人、有効投票数:73,999票)
(国分寺市・有権者数:105,087人、投票者数:49,858人、有効投票数:48,653票)
(国立市・有権者数:63,719人、投票者数:25,845人、有効投票数:25,346票)
北多摩第三:
林明裕氏(自民) 24,060票
中嶋義雄氏(公明) 21,872票
<<次点:田中智子氏(共産) 21,518票>>
(有権者数:266,201人、投票者数:120,809人、有効投票数:118,622票)
(調布市・有権者数:196,635人、投票者数:87,850人、有効投票数:86,265票)
(狛江市・有権者数:69,566人、投票者数:32,959人、有効投票数:32,357票)
ここでも、354票の差で明暗が分かれました。
北多摩第四:
原紀子氏(共産) 21,939票
渋谷信之氏(自民) 21,202票
<<次点:細谷祥子氏(都ファ) 19,893票>>
(有権者数:159,471人、投票者数:64,255人、有効投票数:63,034票)
(清瀬市・有権者数:62,226人、投票者数:26,729人、有効投票数:26,218票)
(東久留米市・有権者数:97,245人、投票者数:37,526人、有効投票数:35,816票)
島部:
三宅正彦氏(自民) 8,907票
<<次回:梅木健司氏(共産) 1,970票>>
(有権者数:20,691人、投票者数:11,263人、有効投票数:10,877票)
3.政党別得票数
東京都選挙管理委員会のサイトには、党派別の得票数、得票率も掲載されています。
(小数点以下は按分票)
自由民主党 33議席 1,192,796.997票(25.69%)
都民ファーストの会 31議席 1,034,788.100(22.28%)
日本共産党 19議席 630,158.624票(13.57%)
立憲民主党 15議席 573,086.899票(12.34%)
日本維新の会 1議席 165,850.552票(3.57%)
東京・生活者ネットワーク 1議席 61,070.580票(1.32%)
その他の党派 0議席 50,816票(1.09%)
無所属 4議席 235,888.822票(5.08%)
ちなみに、立憲民主党と日本共産党の得票数を足し合わせると、1,203,245.523票となります。
*
都民ファーストの会から出て当選した木下富美子氏(板橋区)には、選挙期間中に無免許運転で事故を起こしたニュースが報道されていて、去就が注目されています。
また、同じく都民ファーストの会から出てトップ当選した伊藤悠氏(目黒区)には、選挙中に有料ネット広告を配信したとして、公職選挙法違反の疑いが指摘されています。
*
選挙の結果とか、選挙管理委員会の発表とかは、細分化されて表示されたり、細かい数字がずらりと並んだ一覧表だったり、細部を見ると全体が見えなかったり、うんざりするほどの数字が並んでいたばかりで、どうにも読み解くのが大変です。
なので、とりあえず自分で「ざっと眺め」られるよう、自分の気になる数字だけをピックアップして、並べてみました。
自分なりのまとめですが、もしも誰かの役に立てるなら、とここに置いときます。