乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

【寝言】書店で本を買う。たぶん十数年ぶりに。

書店で本を買う

土曜日、仕事終わりに紀伊国屋書店に立ち寄って、やっとのこと「S-Fマガジン2022年10月号」を購入。ネットではどのサイトでも「購入いただけません」表示が出ていて、半ば購入を諦めかけていたが、ダメ元で、と立ち寄って見たら、雑誌コーナーに7、8冊が平積みになっていて。速攻で購入して、なぜか肩の荷が降りた気分を感じたり(笑)。

最近はずっとネット購入ばかりで、書店の苦境の話題を見て「書店は大事なのに」と思いつつも、自分では書店に足を運ぶことが激減していて、「申し訳ない」と思いつつ、書物を買っては家まで運ぶ重さを思い出しては、「やっぱりネットで」などと思っていたのですが。

今回の「S-Fマガジン」は、ネットでの販売がほぼ全滅となってしまって。発行元の早川書房の通販サイトですら「お取り扱いできません」と表示されていたので、「これはもう、購入は無理かな」と半ば諦めていたのですが。

先週末に数件の書店を回って、どこにも置いてないことを確認して、「やはり、あるとしたら都心の大きな書店くらいか」と思いながら、そういう書店のネット通販サイトでも購入ができない状態で、「やはり、今回は無理か」と自分に言い聞かせたりして。

でも、「もしも売っていたら」という微かな期待を込めて立ち寄った紀伊國屋書店では、入り口入ってすぐの文芸誌の平積みコーナーに、堂々と鎮座しているのを確認。さっと手に取り、兎にも角にも、とレジに回って精算。少しだけ、信じられない思いをほのかに抱きつつ、帰途の電車に乗り込みました。

ネット通販ではなく、書店で本を買う

というわけで、久しぶりに「ネットで購入できない書物を、書店を巡って探す」という行動を行なって、本当に久しぶりに感じたのは、「やっぱり書店は、本を探す人間にとって、この上ないワンダーランドだ」ということでした。

行き慣れない書店に入ると、まずはどのジャンルの本がどの本棚にあるのかを探して彷徨い、その間にも次々と「たぶん自分がネットで検索しないであろう単語」をタイトルにした本が、いくらでも並んでいるわけです。

たぶん、本屋に並んでいる本の、おそらく9割以上は「自分の知らない本」なのだ、と実感したりして。それは当然のことで、個人の興味の範囲や、必要とする書物の情報なんてものは、書店に並ぶ本の全体から見るとごく僅かな分野のものであり、自分の知らない情報を知り、自分の興味の範囲外の情報を与えたり、自分が思いもしない情報を求めたりしているわけです。

それを、知ることができるのが「本屋の本棚」なのかなと、久しぶりに本屋の棚を眺めて歩きながら思ったり。「こんな本があるのか」「こんな雑誌、出てるんだ」と思う本を、書店ごとにいくらでも見つけられて、「書店で本を眺める」体験が、実は「なかなか豊かな体験なのではないかな」と、改めて思ったりしました。

「本屋で本棚を眺める時間」が、自分にとっては意外に「豊かな時間」なのだなと、再確認したこの1、2週間でした。そう、昔は本屋の滞留時間は、普通に1時間超えてたのにな、と。

「現代」という時代に至って、「本屋で本を買う」ということについて、改めて、考えてみなければ、と思ったりして。