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なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

2016(平成28)年度一般会計決算を読む その4

引き続き、一般会計決算の明細を読んでいきます。ここからは、国会が所管する歳出を見ていきます。

歳出–国会所管

国会が所管する歳出は、衆議院参議院国立国会図書館裁判官訴追委員会裁判官弾劾裁判所が含まれています。
国会の歳出予算は1379億円、繰越額が4.9億円、予算総額は1383億円となってます。
それに対する支出済額は1335億円。翌年度繰越額が3.8億円、不用額は44.6億円となっています。

衆議院

衆議院の歳出予算は737億円、繰越額1.4億円を合わせて予算総額は739億円。
支出済額は715億円、翌年度への繰越額は8283万円、不用額23億円となっています。

よく話題になる「議員歳費」は歳出予算102億円、「議員秘書手当」からの流用額6235万円を加えて103億円。支出済額もほぼ同額の103億円ながら、不用額として663円が計上されています。
これは法律の施行によって歳費が増加したためで、増加の内容は、以下の概要に示されています。

「特別職の職員の給与に関 する法律の一部を改正する 法律」概要
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/h281116tokubetu_gaiyou.pdf

この概要によると、審議官の棒給月額の引き上げ、総理大臣等の特別級(ボーナス)の引き上げ、となっています。

議員秘書手当」は、歳出予算額122億円ですが、上に記した「議員歳費」への流用額があるので、総額は121億円となります。支出済額は118億円。差額3億円は不用額となっています。

議員秘書退職手当」が予算3.7億円に対して、支出済額が1.3億円。2.4億円分が不用額となっています。これは、明細書に説明はありませんが、退職する議員秘書が少なかった、ということでしょうか。

「議員旅費」は予算額3.2億円、支出済額1.8億円。不用額1.4億円となっています。
6割程度しか支出されていませんね。

「議員文書通信交通滞在費」は予算額57億円、支出済額56.95億円。500万円が不用額となっています。

「議員特殊乗車券等交通費」は予算額8.7億円、支出済額8.6億円。不用額1797万円となってます。

国勢調査活動費」は、予算額4.1億円、支出済額2.2億円。不用額が1.9億円。

以上が国会議員の議員活動に関わる歳出でしょうか。上記分を合わせると予算総額300.9億円。それに対して支出済額が291.7億円となっていて、9億円が不用額となっています。

「職員基本給」は、予算額84億円、職員手当分として2800万円を流用し、支出済額は83.9億円。不用額は1326万円。

「職員諸手当」は予算額41.2億円に上記「基本給」からの流用額を足して総額41.5億円。
支出済額41.4億円で、不用額は399万円、となっています。

「超過勤務手当」は、予算額14.3億円、支出済額12.8億円、不用額1.5億円です。

職員の人件費をまとめると、歳出予算として、190.4億円。実際の支出済額は180.9億円。不用額が9.5億円、となっています。

衆議院には「列国議会同盟分担金」という項目があります。
参議院のページには、「列国議会同盟 (IPU)」についての簡単な解説があります。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/aramashi/keyword/ipu.html
主権国家の議会による国際組織」ということで、178の議会が参加、年2回会議を開き、議会制度の充実、国際的な課題についての議論を行っているようです。
歳出予算は1.36億円、決算もほぼ同額の1.36億円、不用額900円が計上されてます。
「なぜ900円余った?」という疑問も浮かびますが。

衆議院施設費」は予算額91億円に繰越額1.4億円を足して総額92億円。支出済額が91億円となっていて、翌年繰越額8283万円、不用額4351万円、となっています。
「施設費」の内訳で気になるのは、「不動産購入費」。予算で80億円が計上され、ほぼ同額が支出されています。不用額は100万円。予算で計上され、ほぼ予算通りの支出が行われているので、これは予算成立時点で購入が決まっている物件ではあるのですが、内容が気になります。

というわけで、財務省の資料を探すと、「民家資金等活用衆議院施設整備等事業費」という項目が立てられていて、議員会館などの整備事業として予算が計上されています。これは2005(平成17)年度から15カ年度(2019年度まで)かけて議員会館等の整備事業に対する支出、ということのようです。
総額1097億円のうちの、2016年度分を「不動産購入費」として当てているようです。


参議院

参議院の歳出予算額は、補正予算合わせて444.6億円。前年度繰越額4244万円を合わせて、予算の総額は445億円。対して支出済額は429億円、翌年度繰越額が5054万円、不用額16億円、となっています。

「議員歳費」は予算額52億円、流用額2344万円、支出済額はほぼ全額52億円ですが、不用額212円が計上されています。

議員秘書手当」は、予算額61億円、2344万円が「議員歳費」へ流用され、予算総額は60.8億円。支出済額は59.5億円となっていて、不用額が1.2億円、となってます。

議員秘書退職手当」が予算額8.6億円に対して、支出済額5.0億円。不用額は3.6億円です。

「議員旅費」は、予算額1.6億円に対して、支出済額8931万円、不用額7265万円となっています。

「議員文書通信交通滞在費」は、予算額29.7億円に対して、支出済額29.5億円。不用額1700万円です。

「議員特殊乗車券等購入費」は、予算額4.5億円に対して、支出済額もほぼ満額の4.5億円。不用額14万円が計上されています。

国勢調査活動費」は、予算額2.5億円に対して支出済額1.8億円。不用額6563万円となっています。

以上の歳出を足してみると、予算額161億円に対して、支出済額が155億円、6.6億円が不用額、ということになります。全体を通して、衆議院の約半分程度、ということになります。これは所属議員の数から見て妥当なところでしょう。

「職員基本給」は予算額64.6億円、そのうち「職員諸手当」への流用額618万円を差し引いて、予算総額は64.5億円。支出済額は64.2億円で、不用額3802万円です。

「職員諸手当」は予算額31.9億円に、上記の流用額を加えて32億円弱。支出済額も四捨五入して32億円。不用額は126万円になっています。

「超過勤務手当」は、予算額11.2億円に対して、支出済額が9.7億円。不用額は1.6億円です。

職員の人件費を合わせると、歳出予算額は144.1億円、支出済額は140.1億円、不用額は4億円、となっています。

参議院には「国有資産所在市町村交付金」というのがあります。
これは、地方にある国の固有資産(土地、家屋及び償却資産)について、「国有資産等所在市町村交付金法」というのがあって、それに従って支払われます。
歳出予算額2.96億円、支出済額も2.96億円、不用額500円が残っています。

参議院施設費」の総額は、予算額54.6億円に前年度繰越額4244万円を合わせて予算総額55億円、支出済額54.4億円、繰越額5053万円、不用額1088万円、となっています。

その中の内訳として、こちらでも「不動産購入費」が計上されていて、予算額43億円に対して支出済額もほぼ満額の43億円、不用額が364円、となっています。
こちらも衆議院と同様、「参議院施設整備等事業費」として、同じく2005年度から2019年度までの15カ年度に渡る予算計上で、こちらは全体で616億円に及ぶ予算額になっているようです。

とりあえず、今日はここまで、ということで。