乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

自衛隊員を守る法律がない


自衛隊員を守る法律がない……伊勢崎賢治氏への電話インタビュー(TBSラジオ、Session-22 7月1日。Podcastより)

現行の法律案の中では、海外に派兵された自衛隊員が、不測の事態や戦闘などによって派兵先の民間人を殺傷するような事態が起こった場合、「国家の命令で派兵された自衛隊が起こした刑事事件について、国内で裁くための法整備が整っていない」とのこと。
軍隊を保有する諸国には、国家の命令で外国に派遣される兵士の犯罪については、派兵先の法律ではなく自軍のために定められた「軍法」によって裁かれる。また、派兵先の国の感情を害しないためにも、通常の民間人の犯罪よりも厳しく裁定されるのが通常で、そうすることによって派兵先の国民感情を和らげる狙いがあるのだそうだ。

しかし、現行の自衛隊には、派兵先の自衛隊員の不慮の事故や戦闘による民間人の殺傷事件を起こした時、それを「軍の基準に照らして裁定する」機能が備わっていない。派兵先の国家とは、派兵時に事件の当事者になった自衛隊員をどちらの国で裁くか、についての協定を結ぶことが可能かもしれないが、それにしても、国内では裁く法律がない。


日本国憲法は第七十六条によって「特別裁判所の設置」を認めていない。全ては最高裁判所とその下級裁判所に審判が委ねられる。
刑事事件の関係者となった自衛隊員を裁ける国内の法律は、唯一「刑法」しかなく、「国家の命令で派遣された自衛隊が国外で殺傷事件を起こした場合、最良の場合でも民間人と同じ「刑法」で裁かれる」という事態になってしまう、とのことらしい。


これは、「自衛隊の海外派兵」自体が、「自衛隊の行動を保障・保護する国家の法律」もないまま、戦闘地域もしくは戦闘地域近傍へ、文字通り「放り出す」ことになってしまわないだろうか?
現行法律案によって派兵される「武力行使可能な自衛隊」は、それこそ何らかの事件に巻き込まれても、「国家によって保護されない」ということになるのではないか?
本当に、こんな法律でいいのだろうか?