乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

ジダンの頭突き(続き)


 NHK総合『海外ネットワーク』を見ました。道傳愛子アナウンサーは10年来のファンでいつも見ているのですが、今日の番組ではまさに「ジダンの頭突き」問題が取り上げられてました。おお、シンクロニシティ!(笑)


 ジダン選手のなんとも言い難い「いきなり頭突き」ですが(笑)、この背景に横たわっている、欧米社会に未だに拭えない形で残っている「人種差別」の問題があることを伝える番組内容でした。
 6年も前に僕はホームページで『キリスト教的欧米社会』という文章を公開したことがあるのですが、欧米社会というのは、どこまでも異文化を「キリスト教的文化」の範疇の中で理解しようとする傾向があるのではないか。僕にはそう思えることが多々あります。


 人種差別の問題も実はこの「キリスト教的欧米社会」が、その「キリスト教的である」という性格そのものから導かれ、解消しがたい問題として欧米社会に残っているような気がします。日本にいては、また観光などで欧米に一時滞在する限りでは強く感じることはないでしょうが、つい先日のフランスでの若者の暴動騒ぎにも見られるように、人種差別の問題は欧米社会の中に深く根を張っているのではないか、と想像できます。
 かつてはアメリカのSF大会に出席した日本のSF評論家(だったかな? 記憶が曖昧(笑))が、アメリカのSF作家に「日本人にSFは理解できない」と言われて憤慨した、という記事を読んだことがありますが、欧米社会というのは、どこかで「世界をいちばん理解しているのは欧米人(白人)」だという認識を(無意識に)持ってしまっているのではないでしょうか。
 このことは、僕は常に海外のニュースに触れるたびに、感じてしまうことがあるのですが。


 今回のサッカーワールドカップでも「人種差別撤廃」のキャンペーンが他ならぬサッカー選手の呼びかけで行なわれたことから、欧米社会における人種差別問題はそこに暮らす人間にとって重要であり、切実なものであることなのだと感じられます。
 表向き「自由、平等、博愛」を掲げる「欧米的民主主義」が同時に「キリスト教社会」であることによって必然的に孕んでしまう人種差別問題。これはたとえば欧米的な民主主義システムを積極的に受け入れてきた日本のような国にとっても重要な問題なのかもしれません。
 この「キリスト教的民主主義システム」の中に無自覚に孕む「白豪主義」に対しては、カラード(有色人種)である日本人にとっても、注視するべき問題であるような気もします。


 それはキリスト教だけでなく、ユダヤ教イスラム教を含む「一神教世界」に共通する問題なのかもしれませんが。……根拠がありません(笑)。