乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

F1-2006-11 フランス


 F1・第11戦、フランスグランプリ。
 前回のアメリカグランプリの後、F1のニュースから離れていたら、何とモントーヤがF1を離れる決意を固めたとのこと。今年いっぱいは少なくともライコネンモントーヤマクラーレンコンビが何かやってくれるのではないかと期待していただけに、吃驚。
 モントーヤ自身としてはF1のルールやレースの方針に不満があるようですが、その辺はどうなんでしょうか? 僕には何とも言えません。


 そんなこんなもありながら、フランスグランプリ。
 気温34度と聞いて、フランスってそんなに暑かったっけ、などと思ったり。いえ、行ったことは(もちろん!)ありません。何となくそんな感じがしていただけ。ようするに、個人的妄想(笑)。
 荒れ模様の展開に終始したアメリカ大陸2連戦を終え、チャンピオンシップの行方を見据えた後半戦の始まり。ルノーチームのお膝元、「青い」スタンドに見つめられての決勝レースを制したのは、なんと「赤」でした。


 今回のレース、フェラーリのマシンにかつての「力強さ」が帰ってきたような、そんな印象を受けてしまいました。これまではトップを走っていても「どこか、ひ弱?(笑)」とふと感じてしまうようなこれまでの印象と違って、今回はマシン自体にがっしりとした骨が入った感じ。……分かりませんか、分かりませんね(笑)。
 これまでもじわじわと復調の気配を見せていたフェラーリマシンですが、これまでは「それでも、やっぱりアロンソルノーマシンにはわずかに届いてないか?」という印象だったのですが、今回は違いました。
 スタート直後でアロンソの飛び出しを抑え、マッサがアロンソを抑える中でミハイルはぐんぐんリードを拡げ、終盤マッサがピットインでアロンソにかわされる場面はありましたが、後は盤石の走りで1、3位フィニッシュ。
 こうしたレースに「しっかりとしたフェラーリマシン」を感じました。レース後の映像で、ミハイルがブリジストンのスタッフ(浜島氏?)としっかり抱き合っていたシーンが印象的でした。ブリジストンタイヤがマシンと上手くマッチングし、それがフェラーリマシンのパワーを引き出した、そんなところなのかもしれません。
 一方でブリジストンタイヤをバーストさせたウェバー@ウィリアムズの例もあったりするのですが。こちらの原因はまだ調べてませんが。


 そんなフェラーリに比べ、「わずかに及ばない?」という印象だったルノーマシン。序盤でミハイルに大きく引き離されたのもあるでしょうが、それならばと2ストップ作戦でマッサをかわし、ポイント差の縮まりを最小に抑える2位フィニッシュ。
 アメリカ戦で躓いたアロンソですが、何か今回もその「躓き」を引きずってしまったような。昨年も後半ではライコネンの猛追を受けて我慢のレースを展開していましたが、夏になると弱くなる何かがあるのでしょうか。
 それでも、昨年もそんな状態を乗り切り、見事年間チャンピオンの座を射止めたアロンソルノーチーム。「我慢の仕方」を知っているチームでもあり、やはり本命の座は揺らがないか?


 そして今回頑張ったのはTOYOTAトゥルーリには残念なレースになってしまいましたが、ラルフ・シューマッハはマッサを追っての4位フィニッシュ。ピット作業で10秒程度のロスに見舞われたのは残念でした。終わってみれば3位マッサの5.7秒後方での4位フィニッシュ。「あのピット作業のロスがなければ」と言いたいところですが、結果は結果。
 何よりも、着実にステップアップしている印象があるTOYOTAチーム。このまま順調に成長できればルノーフェラーリマクラーレンに続く「4強」の一角に食い込むことも可能なのではないか、という気がしたりします。そう、「成長への手がかりを掴んでいる」感じ。コンストラクターズポイントも5位へ上がり、4位Hondaの11ポイント後方へとその歩みを進めてきました。今年中にHondaを抜いてしまうかもしれません。


 で、そのTOYOTAに追い上げられている、迷走中のHonda。
 前半では表彰台にも上がり、トップチームに食らいつく勢いを見せていたのですが、ここのところはなかなか結果が出せないレースが続きます。
 前回までは予選で期待のできそうな結果を出してきたのですが、今回はジェンソン・バトンが19位、ルーベンス・バリチェロが14位と不本意な位置に沈んだHondaチーム。バトンは予選ではトラフィック(コース上の混雑)の影響で満足なタイムトライアルができなかったようですが。バトンはそれでも11位まで順位を上げる健闘を見せていたのですが、残り8周というタイミングでマシンがスローダウン、あえなくリタイアとなってしまいました。


 で、そのバトンのパートナー、我が(笑)ルーベンス・バリチェロはレース序盤でマシンがスローダウンし、18周でレースを終えることに。当人は「エンジンじゃないか」とその原因を語ってますが、正確な原因究明はもっとデータを整理してからのこと。ただ、バトン、ルーベンスふたりとも、思うように動いてくれないマシンに乗ってのレースを展開しているような印象があります。そうしたレースは結構大きなストレスをドライバーに与えているのかもしれません。


 内部事情というか、チームの機構改革などもあったりして、いろいろ試行錯誤が続いているのかもしれませんが、そんな中でも「今はまだでも、次はもっと行ける」といったような、発展途上にあるチームが発する「事態は好転している、次はもっと良くなる」という確信を抱いているようなチームには、見えないことも確かでしょう。なにか「もっと前へ」と前を見続けて進んでいくうちに、「足元」が見えなくなってしまった、あるいは見失ってしまった、そんな感じではないか、などと想像したりもしてしまいます。
 チームの各部署で発揮されている力が、全体のレベルアップに繋がらず、部分々々のパワーが全体ではバラバラに作用してしまうために、「チームとしての力」のポテンシャルが低いまま上がっていかない、そんな想像をしたりしますが。まあ、テレビ放送を見ただけの印象に過ぎませんが。


 Honda自身も、ルーベンスも現在のチームになってまだ半年。バトンにとっても、昨年までとはまた違ったチームスタイルの中で走っていると言っていいのではないでしょうか。
 なかなか期待通りにいかないニュースばかりになってしまいますが、初年度であると思えば、やはりその「頑張り」は期待できるものなのではないでしょうか。今はつらいニュースやテレビ映像が多いのは確かでしょうが、こういう時期を乗り越えてこそ、F1の上位チームと呼ばれる「チーム力」と「技術力」を手に入れることができるのではないでしょうか。
 BAR-Hondaとして戦ってきた昨年までから、Hondaチームへと変わってまだ半年ということを考えれば、数年がかりでチーム力を上げていかなければならないHondaチームとしては、今の苦しさはまだ入口の苦しさと言っていいのかもしれません。
 この今の苦しい状況を乗り越える努力を続けることこそが、「一流のF1チーム」への真っ直ぐな道なのかもしれない、とも感じたりします。
「どうして?」「何が(ダメなの)?」「足りないものは?」……。
 こうした疑問の数々をひとつずつクリアし、乗り越えていってこそ、「押しも押されぬF1チーム」としての評価が得られるのだとすれば、現在のHondaチームの迷走、低迷は、Hondaチームに用意された試練だとも言えるでしょう。これを乗り越えることが、HondaチームをF1のトップチームに育て上げることでもある、のかもしれません。


 そう思えば、今は一戦々々を応援しつつ、来年、また次の年、その次の年と、「年数を重ねてこそ蓄積されるチームの力」をHondaチームが得ていけるよう、応援していくことが僕にできることなのかもしれません。
 半年で出せる結論と、3年かかって出せる結論はおのずと違うはずです。今のHondaの厳しい状況は、3年後のHondaの栄光なのかも知れませんし。
 今年の一戦々々をひとつひとつ応援しながら、数年後か数ヶ月後か、HondaチームとHondaドライバーが「納得のできる」レースをして「納得のできる」結果を手にする日を心待ちにしたいと思っています。


 いつかこの日記に「わっはっは、やったねルーベンス!」と書けることを信じながら。