乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

F1-2006-07 モナコ


 F1 ・第7戦、モナコ・グランプリ。
 快晴のモナコは、気温24度、路面温度27度。何とも心地よさげな映像でした(笑)。


 今回はえらい予選になりました。たまたまテレビをつけて、なにげに見てしまった(笑)のですが、最後の最後にあんなことになるとわ(笑)。
 予選の最後の最後で、トップタイムを記録していたミハイル・シューマッハのマシンが予選の最後のトライアルで、突然コース上にマシンを止めてしまう、というアクシデントがあり、そのせいで他のドライバーのタイムトライアルを邪魔してしまう結果になってしまいました。
 画面で見る限りミハイルのマシンは何の前触れもなく止まってしまった感じで、何が起こったのかは全然分かりませんでした。
 結局オフィシャルはこのアクシデントを、懲罰に値するとしてミハイルの予選記録を抹消、ミハイルは公式記録上「ノータイム」で、最後列からのスタート、ということになってしまいました。
 実際はどうだったのか、「故意」か、「事故」か。
 今回は特に、ミハイルとトップタイムを競っていたアロンソがタイムトライアル中であり、まさにアロンソはコースに止まったミハイルのマシンを避けるためにタイムロスを余儀なくされ、ミハイルに0.05秒の差で届きませんでした。
 故意だとするなら、あまりに「タチが悪い」気がするのですが、そこまでやるのはミハイルに似つかわしくない、という感じもします。アロンソにトップを奪われて2位に甘んじても、それこそ決勝で後ろからアロンソにプレッシャーを与えたり、ピット作戦をひねってトップ奪取を狙うことは、フェラーリにとっては得意中の得意なことですし。
 予選の最初にクラッシュしてしまって最後尾になってしまったチームメイトのマッサの後ろ、最後尾からの決勝スタートとなってしまったミハイルはピットレーンからのスタートを選択。
 この予選の影響が、決勝に影響を及ぼすのかどうか。


 とまあ、波乱含みの雰囲気の中で始まった決勝レース。スタート直後にミッドランドF1の2台がチームメイト同士で接触するというアクシデントもありましたが、第1コーナーへの飛び込みも何事もなく、全車22台が揃って周回を重ねるというレースになりました。
 グリッドの順にアロンソ、ウェバー、ライコネンモントーヤの順に第1コーナーを駆け抜けていきましたが、ライコネンはすぐにウェバーに襲いかかり、2位に浮上。さらにアロンソの後に迫りますが、なかなかパスするのが難しい、狭いモンテカルロ・サーキット(公道ですが)。この4台が隊列を組んだまま、前半のトップ争いは静かに燃え上がります。


 そしてもうひとり、ピットスタートを選択したミハイルはスタート直後にすぐに隊列に追いつき、後方のマシンを次々とパスしていつの間にか16位。さらにバトンをパスして見せるなど、トップ目がけて必死の走りを見せます。


 そして中盤以降、波乱の幕がゆるりと開きます。
 佐藤琢磨選手のスーパーアグリF1マシンがスローダウン。どうやら電気系統のトラブルだそうですが。その後に今度は3位のウェバー。エンジンからいきなり煙を上げ、走らなくなった車をあえなく停めたのはピットレーンの合流地点。
 このトラブルによってセーフティーカーが導入され、何とトップのアロンソの後ろに(周回遅れの)ミハイルが続く、という場面も映像に映ったり(笑)。
 ところがそのセーフティーカー走行中に、ライコネンのマシンからも炎が! ライコネンは煙の吹き出すマシンを、消火器で火を消そうとするレーススタッフを引き連れてエスケープゾーンへ。こういう言い方はなんですが、このシーンのライコネンは、ちょっとカッコよかったと思いましたが(笑)。
 とにかくこれでアロンソを追っていた2位、3位のマシンが姿を消してしまい、アロンソは悠々自適のレースが可能になったりして。周回遅れのミハイルのマシンを先に行かせたり、という余裕を見せたりもしていましたが、これはエンジンとタイヤに気を使って、のことでしょうか。周回遅れとは言え、うるさい相手をわざわざ後ろに引き摺って行くこともない、という判断でしょうか(笑)。


 さらには最終盤に3位走行中のTOYOTAトゥルーリもスローダウン。あえなくレースを終えてしまいました。
 そんな中、淡々とレースを続けたモントーヤが2位、レッドブルのベテラン、クルサードが3位でフィニッシュ。レッドブルは初の表彰台。4位には我が(笑)ルーベンス・バリチェロ。ミハイルは結果的に何と5位でフィニッシュ。TOYOTAラルフ・シューマッハも8位入賞でした。


 さて、我が(笑)、ルーベンス・バリチェロ
 前半の落ち着いたレース展開の中、上位4台(アロンソライコネン、ウェバー、モントーヤ)がバトルを繰り広げる中、5位を走行しながら前とだんだんと引き離されていったりと、何やらパッとしない印象。ワンストップ作戦ということで燃料を多めに積んでいたのは確かなのでしょうが、後方のバトンと共に、どこか「煮え切らない」マシンでモナコに望んでしまったような印象。
 それでもヨーロッパへ戻ってきてからマシンとの「摺り合わせ」が上手くいき出したか、入賞圏内でフィニッシュする走りが続いています。もちろん欲を言えば、今回のレースでもモントーヤの後ろに貼り付くぐらいのマシン・パフォーマンスを見せて欲しかった気がしますが、そこはまだHondaのマシンに残された課題というか。
 一時は3位を走行しながら、ピットレーンの速度違反(モナコでは時速80km/h。他のサーキットでは100km/h。この違いに引っかかったのかな?)でピットスルー・ペナルティを受け、5位に後退したりもしましたが。
 でも、レースを終えてみれば表彰台は目の前、の4位フィニッシュ。最後は6位のミハイルに後ろから迫られながらも、何とか耐え切りました。今回のルーベンスの走りは、今年のベストパフォーマンスだったかもしれません。
 前回までいろいろ言ってきた「ドライバーとマシンの摺り合わせ」、それに対してルーベンスなりのひとつの答えが出せたのかもしれません。それがこの最近のレースに出てきているのではないか、という気がします。
 ルーベンス自身にも、今回のレースは何か「手応え」を感じたのではないでしょうか。バトンの記録が伸び悩んでいるのが多少気掛かりではありますが、ルーベンス自身はこの2、3週間である程度の「手応え」と「可能性」をHondaマシンに感じたのではないか、と勝手に憶測しています。
 いやあ、面白くなってきました。
 これでマシンのパフォーマンスが上がってきた時に、ルーベンスの力もまた発揮されるのだと、そんな気がしたりしています。