乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

F1-2006-05・ヨーロッパ


 前年の王者フェルナンド・アロンソと「皇帝」ミハイル・シューマッハ。頂上でのふたりの「ガチンコバトル」はまだまだ続くようです。
 F1情報から遠ざかっている間に、スーパーアグリチームと井手選手は大変なことになっていたんですな。テレビを見るまで知らなかったのでビックリしましたが。とにかく今は、1戦でも早い井手選手の戦列復帰を待ちたいと思います。……モンタニー選手も、面白そうだけど(笑)。


 気温20度、路面温度39度は、今の東京より少し涼しい感じでしょうか。
 決勝グリッド、ポールポジションアロンソを囲むように、2番手、3番手につけたのはFerrariの2台。その光景はFerrariチームが「アロンソルノーマシンを射程に捉えた」ことを宣言しているようでもありました。


 そして、レースはスタート。
 その直後の第1コーナーで後続のマシンに接触があり、前も後ろもやられてしまったリウィッツィはマシンをピットまで戻そうとしたのでしょうが、途中でマシンコントロールを失ってスピン、コース上にマシンを停めてしまう事態に。これによってセーフティカーが導入されることになり、このことがまたアロンソとミハイルの明暗を分けた、と言っていいのかもしれない、などと思ってしまいました。


 トップで第1コーナーに飛び込み、さてこれからミハイルを引き離しにかかろうか、というアロンソの目の前に立ちはだかったのが、そのセーフティカー。結局トップ走行のアドバンテージを稼ぐことができず、その後も後ろに追いすがるミハイルのマシンを引き離すことができないままのレースになってしまいました。


 それにしても、今回のFerrariマシン。テレビを見ただけの感想でしかありませんが、確かにこれまでになかった「速さ」「強さ」を感じさせるマシンに仕上がっていたように感じました。
 それは昨年のライコネンアロンソのマシンが見せた「目を見張るような速さ」ではありませんが、トップを走るマシンに対して、必死にならなくても一定の距離以上に引き離されずに負い続けられるような、必死にならなくてもいい、という余裕があるような「速さ」とでも言いましょうか。……何やら分かりませんが(笑)。
 後のインタビューを聞けば、今回のFerrariマシンは予選から速かったようで。アロンソも途中から追いつくのをやめてエンジンの温存を優先した、とか言ってましたが。
 結局ミハイル@Ferrariは、2回目のピットで見事にアロンソの前に立ち、そのままトップチェッカー。さすがにマッサの方はアロンソをかわしてワン・ツーフィニッシュとはいきませんでしたが、それでもアロンソの後ろ、付かず離れずのポジションをキープ。後ろからライコネンが迫り来る中、見事な3位表彰台でした。


 しかし、それでも、Ferrariマシンにはまだ5年連続でチャンピオンシップを獲得したときのよような「周囲を圧倒するような強さ」が戻ってきたとは感じませんでした。それだけルノーマクラーレンといった、他のチームも同じような「強さ」を身に付けてきているように感じますし、その中ではたとえFerrariといえども「圧倒的な強さ」を実現するのはとてもハードなことなのではないかと思えます。
 けれども、Ferrariはこれまでの「何とか戦えるマシン」から「戦い合えるマシン」へと、そのマシン性能をステップアップしてきたように感じました。それが、最初のスターティンググリッドでの、「アロンソを射程に捉えた」という印象に繋がっているのかもしれません。
 ここへ来てのマッサの初表彰台もまた、印象的でした。これまでミハイルの影に霞んでいたような雰囲気もありましたが(笑)、マシンが仕上がってくればこれぐらいは走れるぞ、というのをアピールした今回だったように思います。


「速さが戻ってきた」Ferrariに対し、こちらは「地味に速いぞ」ライコネン(笑)。アロンソvsミハイルの「張り合い」に食い込むまではいかないまでも、モントーヤと共にポイント圏内を着実に走り続けているのはさすが。今回もスピードが上がらないアロンソとそれを追うマッサの後ろから、ひたひたと追い上げてくる姿はとても興味深いものがありました。
 しかし、今回はモントーヤのマシンがエンジントラブルで残り6周余りを残して無念のリタイア。「安定性」という面では、まだ一抹の不安が……。


「安定性」というのなら、Hondaチームもまだまだ「盤石」とはいかないようです。「突発的なトラブルに泣くマクラーレン」とは違い、こちらはどちらかというと「安定して不安定」(笑)という感じでしょうか。
 今回はバリチェロ4番手、バトンが6番手と、それぞれ好ポジションからのスタート。一時バトンは4位にまで順位を上げましたが、早々にライコネンにパスされてしまいました。それでも5番手で順調に走行していたのですが、周回半ばでエンジンが火を吹き、残念無念のリタイア。


 さて、そのバトンのパートナー、我が(笑)ルーベンス・バリチェロ
 予選で2列目をゲットしながら、決勝のスタートがスムーズにいかずに7位に後退。ルーベンスの場合、スタートで躓くパターンが多いような。スタートにおけるマシンの挙動が、まだルーベンスのドライビングとしっくり行ってないんでしょうか。まあ、ルーベンス自身もそれほどスタートが他のドライバーより上手い、という訳でもないのですが。
 しかしその後は順調に周回を重ね、上位陣が次々とアクシデントに見舞われる中で目立たないながら5位完走を果たし、チームに4ポイントを齎しました。チームとしても上位4チームに何とか食い込めた、というところでしょうか。
 しかし、まだHondaのマシンには、決勝レースの中で「速さ」を感じさせるような、マシンの「力強さ」といったものが不足しているような印象があります。いや、やはり「安定性」なのかな。予選の順位と決勝の走りっぷりの間に、何やら微妙な「ずれ」がある感じ。その感じは、Ferrariルノーのマシンには感じられないものです。
 その「感じ」が何によっているのかは、自分でも判りませんが。その「感じ」がなくなったとき、Hondaのマシンに「強さ」を感じることができるようになるのではないか、そんなことを思ったりしてます。


 まだまだシリーズは序盤。これからどのチームが伸びてくるのか、他のチームにもまだまだ可能性はありそうです。
 個人的には、TOYOTAチームに頑張って欲しいかな、と思ったりしますが。というか、これからジャンプアップしてきてくれるような、根拠のない予感と期待を抱いていたり(笑)。