乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

吾妻ひでお『うつうつひでお日記』


うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

 こういう本にこういう感想も「何だかなあ」と思ったりもしますが、笑って読みながらも、ちょっとばかし感動(笑)。「朝ごはん食べて、ちょっと仕事して、昼ごはん食べて、散歩して」が毎日延々続くだけの、オビにある通りの日記なのですが(笑)、何というか、その「集積」自体がじわりじわりと力を溜めつつ、こちらに迫ってくるよういうか何というか。
 別の意味では、出版の予定もないままに204ページのマンガを完成させたりして、そのマンガが出版社の目に留まり出版されたり(かの『失踪日記』)、その間のドキュメンタリーとして読んでみると(もしも読めるなら)、これはこれで感動したり(笑)。


失踪日記』も状況の違いはあれど、「寝る、食べる」といった基本的な生活を延々と綴ったものですが(まあ、状況が状況ですが)、これが「マンガになる」と発想した作者の着想、そして実際にマンガとして成立させてしまうあたりが、作者の天分というやつでしょうか。
 それがまた売れたりする、というところも。