乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

田中哲弥「ミッションスクール」

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)


「ミッション」は「ミッション系」ではなく、「ミッション・インポッシブル」の方。つまり、ニセ物やら本物やらの高校生のスパイやらスーパーガールやらが、活躍したりしなかったりするお話(笑)。……なんか、違うような気もするが(笑)。


ヤングアダルト」方面では評判が悪かったらしいですが、ぼくなんかは笑って読んじゃいました。


いわゆる普通の「ヤングアダルト」からすれば、お下品だったりエロ(笑)だったり、「おげれつ」な匂いのきつい(笑)感じがあって、それが悪評の原因だったのかも、などとも思える訳ですが。
で、ふと思い出したのは、筒井康隆氏の初期の、いわゆるエロ・グロ・ナンセンスやブラックジョークを取り込んだ一連のギャグSF作品。関西風味のギャグ感覚というか、同じギャグなら上品(毒のない)よりも、毒味の聞いた泥臭い、下世話な方に傾いてしまうような感じでしょうか。


そういうテイストを「関西系」と呼ぶならば、それこそ筒井康隆氏を始め大原まり子氏の「SFバカ本」のアプローチなど、「関西系」の連綿とした流れがあって、この作品もまたその流れの中に位置するのではないかと。いわゆる、「関西系ギャグSF」の本流、と言っていいかも知れません(笑)。
いいじゃないですか。エロ・グロ・ナンセンス(笑)。