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なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

太陽熱エネルギー革命 (日経プレミアシリーズ)

太陽熱エネルギー革命 日経プレミアシリーズ

太陽熱エネルギー革命 日経プレミアシリーズ


太陽熱エネルギー利用の可能性について、どちらかというとかなり大きな視点から考えてみた、という本。…などと「読書メーター」に書き込んだりしましたが、文字数が足りなさそうなのでこちらにも。


紹介されている海外の取り組みは、広大な無人の土地を使って大規模な太陽熱発電施設を建造するもので、「本気ならこれくらいしないとな」と思わせるものですが、日本ではそういう土地を探すことがそもそも難しいのかもしれません。しかし日本国内でもこれくらいの「本気度」がないと、なかなか再生可能エネルギーの利用は進まないんじゃないかな、とか思ったり。
この辺は、商業ベース、採算ベースがどうなのか、という問題もあると思うし、大規模な装置になると実験段階では分からなかった問題も出てくるだろうし。そうしたものを乗り越えて大規模な施設を建造し、商業ベースに乗せていくというのはかなりの「本気度」が必要だろうから。とか思ったり。


発電と同時に「淡水化技術」へ目をつけたところは、以前どこかで紹介した「マグネシウム革命」でも同様の言及があり、太陽エネルギーと淡水化技術というのは、相性がいいのかな? 地理的な問題かな? 無駄に太陽エネルギーの降り注ぐ所では、淡水資源が枯渇する(砂漠とか)から、なのだろうか。


後半に触れられているアジア太平洋版再生可能エネルギー圏構想も、イメージとしてとても面白いと思う。アジア圏というのが多種多様な国の集まりで、それぞれの国家の成立から現在までの経緯も雑多な国々であっても、直接的にも間接的にも絶縁するのはおそらく不可能なのではないでしょうか。そうした国々が「エネルギー供給」において共通基盤を共有する、というイメージは、僕にはとても興味深かったのだが。