いつの間にか、そんな季節に……(笑)。
えー、いつものごとく書くのに手間取り、時間が経ってからの感想(しかも長いし)ですが、今年も(なるべく^^;)めげずに、触れていきたいと思います。
というわけで始まったF1、2006年シーズン。昨年も数回見逃したり、自分でもあまりいいファンではないと自覚はしてますが(笑)、今年も思いつくままに書き留めておきたいと思います。
レギュレーション変更
今年の大きなレギュレーション変更は、予選の方式と、レース中のタイヤ交換の復活。
予選はこれまでのように全車で一斉にタイムを争う方法ではなくなりました。
まずは全車でタイムトライアルを行なうのですが、そこで下位の6台(17位から22位)のスターティンググリッドが決まります。上位はさらにタイムトライアルを重ねる事に。2回目のタイムトライアルで下位の6台が11番グリッドから16番グリッドまでに決定し、残る10台は3回目のトライアルへ。そこでやっと全車の予選順位と決勝のグリッドが決まります。
タイムトライアルの順位は毎回リセットされます。つまり1回目、2回目と下位のタイムでも、3回目でトップを取ればポールポジションが手に入れられるわけです。
ただし、3回目のトライアルでは決勝のスタートと同じだけのガソリンを積載しなければならないのに対し、1・2回目ではガソリンの制限はないようです。これによってベスト10のマシンと下位のマシンで当然決勝での給油戦略が変化してくるわけで。これは決勝レースにおける「勝利の方程式」の計算をより複雑化し、決勝ではチーム戦略を含めて各マシン・ドライバーの決勝レースの戦略の選択の幅が広がることにもなる、というわけではないでしょうか。
まだ1回見ただけで、評価するのは気が早いかもしれませんが。しかし予選でクラッシュして最後尾に沈んだライコネンが1ストップで追い上げて表彰台に乗ってしまったことを考えると、予選で下位に沈んでも決勝で巻き返しが図れるような、そんな戦略の持ち方もあるのではないか、と感じさせてくれます。
あともうひとつはタイヤ交換の復活。これも有利だとか不利だとか単純に判断するのではなく、「レース戦略」にヴァリエーションを齎すもの、と言えるのではないかと思います。昨年の場合は「一度履いたら脱げない靴」で戦わざるを得なかったわけですが(だからこそ昨年のUSAグランプリでの異常事態も発生したのではないかな)、そこのところもチームで戦略的に考えることができるようになった、というのが大きいのではないか、と思います。
そして、タイヤ交換の復活。
それと関係あるのかどうか、各チームのタイヤチョイスも昨シーズンと変化を見せているようです。新規参戦のスーパー・アグリチームがブリジストンを選択、TOYOTA、ウィリアムズがミシュランからブリジストンへ、旧ミナルディから変わったトロ・ロッソチームがブリジストンからミシュランへ、それぞれ変わっています。
その結果、今年はブリジストンタイヤが5チーム、ミシュラン勢が6チームと、タイヤの数もほぼ半々。これがタイヤ交換の復活と相関性があるのかどうかわかりませんが、各チームのマシンの状態と合わせて、気にして見ていきたい、と思ってたりしますが。
決勝レース
そんなこんなで始まった決勝レース。まずは驚きのニケ・ロズベルグ。今年F1初参戦の選手ですが、往年のチャンピオンドライバーの2世と聞いてまず吃驚。そして決勝レース、初っぱなにコーナーへの飛び込みでフロントウィングを破損、緊急ピットインという事態に見舞われながらもコース上では華麗なパフォーマンスを見せ、見事に7位入賞。
初参戦・初入賞というのも、僕としては始めて見たような気がします。そのロズベルグの活躍もあって、ウィリアムズは2台揃って入賞、ポイントゲット。今年はなかなか侮れないチームになる気がします。
僕は今回初めてロズベルグというドライバーを知ったのですが、そのレースぶりを見ると、ただの新人では終わらないかも、という感想を抱きました。印象としては、サラブレッドのような感じ? わかりませんが。
何にせよ、今年活躍しそうな予感。
予選でフロントローを独占したフェラーリチーム。昨年に比べてマシンを立て直してきたのかな、と感じました。タイヤ交換が復活したことが理由のひとつなのかも、などと思ったりもしましたが、だとしたらやはりフェラーリマシンは、タイヤ交換しながら走るスタイルが、一番パフォーマンスの高いスタイルなのかもしれません。
個人的な印象では、やはり「バランスのルノー」、「パワーのフェラーリ」という印象を持っています。フェラーリの場合はそのパワーを支えるタイヤがあってこそ、なのかもしれません。
そのフェラーリ、「落日の皇帝」ミハイル・シューマッハ。予選ではルノーなどと遜色ないパフォーマンスを見せ、決勝でもトップ走行と、その復活ぶりを見せつけました。しかし、2回目のピットインを短時間で終えたアロンソに、ピット出口で並ばれ、僅かにリードしていたアロンソにトップを譲る結果に。
高いパフォーマンスを見せたフェラーリマシンですが、ルノーやマクラーレンなどのマシンと比べて、抜きんでるほどではない感じがしました。何となく、まだルノーマシンの方が総合的なマシンバランスやパフォーマンスが良さそうな。
おかげでピット作戦でアロンソにトップを持って行かれたあたり、まるで数年前のフェラーリの作戦をルノーがやっているような感じ。
とは言え、フェラーリの復活は見ている方としては楽しいのでよしです(笑)。
あと、安定度は相変わらず抜群のルノーマシンのようですが、フィジケラのマシンにトラブル。昨年もひとりトラブルに泣いたフィジケラ。……今年も?
テレビではあまり派手に映りませんでしたが、やはり侮れないのがライコネン@マクラーレン。
予選でのクラッシュという不運があり、最後尾からのスタートとなってしまいましたが、そのおかげで(予選システム変更もあって?)ガソリンを積んでのスタートができ、ピットインを1回に押さえて気がつけば3位表彰台。下位のマシンをすんなり抜き去っていくパフォーマンスも見せ、上位で争ったモントーヤと合わせて、やはりマシン性能の高さは否定できないでしょう。今年もなお引き摺っているように見える「不運」や「アクシデント」がなくなれば、昨年後半のような目を見張るほどの速さを見せてくるのではないか、そんな感じがします。
ルーベンス in Honda
さて、日本人注目のHondaチームと、僕個人が注目(笑)のルーベンス・バリチェロ。
予選では3位と6位という好位置につけ、ルノー、マクラーレン、フェラーリと並んで「4強」と呼ばれてもおかしくない位置に付けました。しかし、スタートで順位を落としながらも揃って入賞圏内を走り、2台でバトルまでやったり(笑)してましたが。
それでもバトンは常に入賞圏内で走行、最後はライコネンに猛追を見せましたが表彰台には届かず。それでも十分にそのマシン性能を見せてくれる走りだったと思います。アクシデントとかがなければ、毎回ポイントをゲットできるマシンには仕上げてきたようです。ここから先が大変なのでしょうけど。トップマシンに「追いつけ」は現実のものとなってます。あとは「追い越せ」(笑)。
そして、我が(笑)ルーベンス・バリチェロ。
最初はバトンとバトルをやったり(やらなくてもいいのに、とも思いましたが(笑))と元気なところを見せてましたが、すぐに姿がテレビから消えてしまいました(笑)。
後で確認すると、ギアボックスにトラブルが発生、スピードが上がらないままの走行だったようで、あえなく15位フィニッシュ。周回遅れにされたときにちらっと映ったきりでした(笑)。
というわけで、ちょっと不運な幕開けで、ルーベンス+Hondaの走りっぷりがたくさん見られることを期待していた僕にとっては、ちょっとがっかり。
次回こそは、トラブルに逢うことなく、力を出した走りを期待したいと思います。