乱反射の光跡 in hatenablog

なみへいのブログです。hatenablogヴァージョン。

ふりむかない男-栗本薫

ふりむかない男―アルド・ナリスの事件簿 2 (ハヤカワ文庫 JA―グイン・サーガ外伝 (833))


 こんな本も読んでたり。
 本書は長大な群像ファンタジーとなった『グインサーガ』シリーズの外伝。その外伝の中でも『アルド・ナリスの事件簿』としてシリーズになっている、第2弾。
 ……などという話はファンの方にとってはすでに知っていること。数多くのファンがいるこのシリーズですから、僕なんぞが今さら付け加えることもありはしないのですが。


 おそらくファンの方であればとっくに読み終えているでしょうし、読んでない方には関係ないでしょうが、この先はネタバレありでいきます。(そんなに長くはないですが)
安楽椅子探偵」というのはひとつの類型ですが、探偵役が最初から最後まで「寝たきり」なのも、もしかしたら凄いのかも。あまり推理小説を読んでいないので、僕が知らないだけかもしれませんが。勝手に名付ければ「天蓋ベッド探偵」か?(笑)


 それはともかく、本編あっての「外伝」ということで、本編や他の外伝を抜きにして本書のみを語ることは(それ以前に読むことも)、困難なことではあります。例えば他のシリーズ作品だったら(例えば現実の世界に近いフィクションなら)シリーズ本編を読んでいなくても読んでいける作品、というのはあるのかもしれませんが、やはり『グイン・サーガ』に関しては、特に「外伝」となれば、他のシリーズ作品を読まずにこれを読むというのは、無謀なことなのかもしれません(笑)。


 何はともあれ、
 マルガで寝たきりのアルド・ナリスといい、そのナリスに皮肉ばかり言うヴァレリウスといい、何やら懐かしい気もしたりして。(^^;)
 考えてみれば本編を読んでいるときにはアルド・ナリスはすでに「過去の人」だったりするわけで(ファンの人、すんません)、その辺で「懐かしい」などと感じてしまうのかもしれませんが。
 登場人物はアルド・ナリスとヴァレリウス、リンダに御付のカイの4人だけ。事件は全て彼らの「話」の中で起こるだけという、そういう意味ではなかなか珍しい「事件簿」なのかもしれませんな。いや、それなりに楽しみましたが。ひねくれ者ヴァレリウスとか(笑)。